マングローブの育て方


マングローブ(ヒルギ類など)の自生地外での育て方


 マングローブ・ネットワークが用意している苗は、オヒルギ・メヒルギ・ヤエヤマヒルギ・ハマボウの4種類です。メヒルギ・ハマボウは静岡県南伊豆町から、オヒルギ・ヤエヤマヒルギは沖縄県から、採取した胎生種子と種子を温室で発芽させたものです。
  ハマボウは普通に育てることが可能ですが、ヒルギ類を人工的な環境で大きく生育させるための条件は、あまり良くわかっていません。元気な天然のヒルギ林を観察し、それに近い条件を再現するのが基本ですが、自宅や事務所などで自然条件をそろえるのは大変です。
  以下の項目は、これまで育てた経験を元にして、自宅や事務所などで育てる場合についてまとめたアドバイスですが、これが最良というわけではありません。これを参考に、それぞれで工夫してみて頂きたいと思います。
 成長が順調な場合も、うまくいかなかった場合も、なるべくその様子を記録してください。どちらも大変貴重な資料になります。できましたら、時々、ネットワークまで成長経過などをご報告頂ければ幸いです。

  1. 土壌
    マングローブは移植を嫌いますので、苗を植え替える時は、なるべく根を崩さずに、そのまま移すようにしてください。発芽時は砂や砂利で水栽培のようにして育ちますが、その後は水はけの良い畑土のような土壌が良いと思います。土は園芸店やホームセンターなどで何種類も売っていますので、どれが良いか試してみるのもいいでしょう。

  2. 太陽光に当てた方が丈夫に育ちますが、幼苗は少し暗い方が発芽率がいいという報告もありますので、苗が幼い場合には注意してください。特に、お送りする苗は温室育ちですので、いきなり強い直射日光は避けた方がいいかもしれません。少しずつ慣らしてください。
  3. 温度
    マングローブは、もともと亜熱帯などに育つ植物ですので、低温は苦手です。冬の夜間などに15度以下になる場合は、暖かい場所に移すなど注意が必要です。ただし、暖房の近くに置くと湿度がなくて葉が落ちてしまう場合があります。ハマボウは冬には落葉するので、低温にも耐えるようです。
  4. 湿度
    ヒルギ類は湿度を好みます。乾燥する時には、葉の表・裏に霧吹きなどで水分を与えます。

  5. マングローブは潮間帯に育ちますから、塩分を含んだ水の方がいいという考え方もありますが、塩分を含んだ水を使い続けると、鉢の中に塩分が堆積するので、時には洗い流すなど、注意が必要です。これまでの実験の経過では、真水でも充分に育ちます。

  6. 強い風は避けます。特に、乾燥した強い風に当てるのは禁物です。
  7. 肥料
    肥料については良くわかっていません。化学肥料などは好まない、との報告もあります。
  8. 成長のスピード
    条件によって異なりますが、温度によって左右されますので、冬場は成長が止まります。

それでは、皆様のご報告をお待ちしています!

マングローブ・ネットワーク (1998.9.30.)



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